株式会社ABCash Technologies(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 辻 侑吾)は、金融の様々なカテゴリーにおける情報を発信するサイトを運営しています。本記事では、2024年11月に行った30代の資産運用に関する調査結果をご紹介いたします。
調査方法:インターネットによるアンケート調査(調査委託)
調査期間:2024年11月12日 〜 2024年11月18日
調査母集団:275人
アンケート回答者の詳細データ:末尾に記載
アンケートサマリー
- 30代には老後資金や日々の生活の足しにするために投資を始めた人が多かった。
- 投資経験は「1年以上3年未満」が最も多かった。
- 保有資産における投資資産の割合は10%から49%の人が多かったが、50%以上の人も一定数みられた。
- リスクとリターンのバランスを重視して投資先を選ぶ傾向が強く、投資信託や株式、ETF・REITなどが特に人気だった。
- 損失を出したことがあると答えた人は約37%で半数にも満たなかったが、その理由には「分析が甘く勢いで投資してしまった」ことや「損切りの見極めができなかった」ことなどが挙げられた。
- 30代の投資家は資産運用で失敗しないためのコツとして、「リスクの高いものには手を出さない」ことや「焦らず長期的に運用する」ことなどを実践していた。

30代の投資経験に関するアンケート
まずは、30代が投資を始めたきっかけ、投資経験に関するアンケート結果について取り上げる。
投資を始めたきっかけは何ですか?(複数回答可)

30代が投資を始めたきっかけについて尋ねたところ、「老後資金を貯めるため」が7割超と圧倒的に多く、次いで「日々の生活の足しにするため」が約4割となった。
このことから、30代の投資家は将来を見据えつつ、手元の資産を増やすなど、時間軸を分けて資産運用を行っていると考えられる。
また、「もともと興味があったから」と答えた人も3割おり、近年の資産運用に対する意識の高まりを反映する結果となった。
投資経験はどのくらいですか?

現在までの投資経験を尋ねたところ、「1年以上3年未満」との回答が37.8%で最も多くなった。
また、5年以上が25.5%で次に多く、反対に1年未満と答えた人も21.1%と同じような割合となった。
30代の保有資産に関するアンケート
続いて、30代の保有資産に関するアンケート結果について取り上げる。
保有資産における投資資産の割合を教えてください。

30代の保有資産における投資資産の割合については、10%~29%層が最も多く全体の約37%、次いで30%~49%層が約28%を占める結果となった。
なお、一方で、資産の半分以上を投資に充てている層(50%以上)も一定数存在し、リスク許容度の高い層が少なくない様子が伺えた。
ただ、80%以上など積極的な投資姿勢を持つ投資層は10%と少なく、このことから30代投資家の多くは比較的保守的に投資を行っているといえるだろう。
どの資産クラスで運用していますか?(複数回答可)

また、資産を何に投資しているか尋ねたところ、投資信託が約67%で最も多く、次いで株式が約59%と圧倒的な票を集めた。
現在の運用ポートフォリオ(資産クラスの割合)を教えてください。
さらに、どのような割合で資産クラスを分けているのか尋ねたところ、以下のようにいくつかのパターンに分かれる結果となった。

投資信託100%・株式100%など、単一の資産クラスのみに投資していると回答した人は全体の約半数となった。まずは一つの資産クラスに絞って投資に慣れようという人がこのような選択をとっていると考えられる。
なお、単一の資産クラスのみに投資していると回答した人の投資内容の内訳は、「投資信託」が約28%、次いで「株式」が約16%、「不動産」と「外貨預金」が共に8%だった。
また、2つのクラスに分散投資していると回答した人の投資内容の内訳は、「株式と投資信託」が圧倒的に多く約87%、次いで「株式と外貨預金」が約6%、「投資信託とETF・REIT」が約5%となった。
さらに、3つ以上の資産クラスに分散投資していると回答した人の投資内訳は、「株式、投資信託、ETF・REIT」が約38%、次いで「株式、投資信託、債券」が約31%、「株式、投資信託、ETF・REIT、FX」が約25%であった。
その他、「株式と債券」と「投資信託とETF・REIT」に分散投資している人、わずかではあるが9つの資産クラスに分散投資している人などもみられた。
あなたが投資先を選ぶ基準を教えてください。(複数回答可)

投資先をどのような基準で選ぶのかについては、「安定性(リスク)」が8割を超え、30代投資家の安定性(リスク)を重視する傾向が顕著に現れる結果となった。
次いで収益性(期待リターン)が挙げられ、投資の収益を意識する人が多いこともわかった。
あなたが思う30代におすすめの投資先はどれですか?

おすすめの投資先については投資信託が58.5%と過半数を超える結果となり、株式やETF・REITがこれに続いた。なお、それぞれの投資先をおすすめする理由について尋ねたところ、以下のような意見が寄せられた。
30代投資家に投資信託をおすすめする理由
30代投資家おすすめの投資先に投資信託を選んだ理由としては、「投資のプロに任せられる」ことや「少額から始められる」ことなどが挙げられた。
投資のプロに任せられるから

少額から始められるから

30代投資家に株式をおすすめする理由
30代投資家に株式をおすすめする理由としては、「リスクが少ない銘柄がある」ことや「配当金を得られる」ことなどが挙げられた。
リスクが少ない銘柄があるから

配当金を得られるから

30代投資家にFXをおすすめする理由
30代投資家にFXをおすすめする理由としては、「少額から始められ大きな利益を得られる」ことや「いつでも取引できる」ことなどが挙げられた。
少額から始められ大きな利益を得られるから

いつでも取引できるから

30代投資家の損益状況に関するアンケート
最後に、30代投資家の損益状況に関するアンケート結果について取り上げる。
現在の資産運用の損益状況を教えてください。

30代投資家の損益状況を確認したところ、「儲かっている」との回答が70.2%で最も多くなった。
なお、「トントン」(損失と利益が相殺されている状態)は28%、「損している」はわずか1.8%であった。
これまで資産運用で損したことはありますか?

また、これまでの資産運用で損をしたことがあるかについては、「はい」が37.1%とその割合は半数に満たない結果となった。
先述の通り、まだ投資をはじめてから1年未満の投資家も2割超いる他、プロに運用を任せられる投資信託を活用している投資家が多いことが理由に考えられる。
あなたが過去に経験した資産運用の失敗談を教えてください。
なお、上記で「はい」と回答した人に「いつ・どのような失敗をしたのか」を具体的に尋ねたところ、「大きく下がっている銘柄の株を底だと思い購入したら、さらに下がって半値以下になった」「FXで初めは倍になったものがほぼゼロになってしまった」などの体験談が寄せられた。


失敗の原因は何だと思いますか?また、失敗からどのような教訓を得ましたか?
続けて、失敗の原因とそこから得た教訓を尋ねたところ、「分析が甘く勢いで投資してしまった」ことや「損切りの見極めができなかった」ことを失敗の原因として考えている人が多く、そこから「社会や経済の状況と流れを把握して企業分析をする」や「損切りの設定やルール決めを行う」のような教訓を得ていたことがわかった。
資産運用の失敗体験をどのようにその後の取引に活かしていますか?
さらに、失敗体験をその後の取引にどのように活かしているかを尋ねたところ、「限度額を設定したり余裕資金で運用する」「損切りや利益確定のラインを設定する」のような工夫をしていることがわかった。


資産運用で失敗しないためのコツは何ですか?
最後に、これまでの資産運用で損をしたことがないと答えた人にその秘訣を尋ねたところ、「リスクの高いものには手を出さない」「焦らず長期的に運用する」のようなコツが明らかとなった。


今回のアンケートを通じて
今回のアンケートを通じて、30代にも確実に資産運用が定着し始めていることが明らかとなった。
30代は安定性を重視する人が多く、投資信託が投資先として人気を集めたが、資産運用に失敗しないためのコツとして「リスクの高いものには手を出さない」ことや「焦らず長期的に運用する」ことを意識している様子も伺えた。
これから資産運用を始めようと考えている30代の方は、これらの意見を参考に長期目線で運用を始めてみるのがよいだろう。

アンケート回答者の詳細データ
回答者の性別

回答者の年齢
