- 金投資のメリット・デメリットが知りたい
- 金以外のオルタナティブ投資が知りたい
- オルタナティブ投資をするときの注意点が知りたい
投資といえば株式や債券への投資を思い浮かべる人も多いかもしれないが、最近は金などの貴金属を始めとしたオルタナティブ投資の人気も上昇している。
金は世界中で価値が認められた実物の資産であり、無価値になることはないといった意味でも魅力的な資産である。実際に、歴史的には金を通貨として使用していた時代もあった。
この記事では、金に投資する方法やメリット、金以外のオルタナティブ投資方法やその注意点について解説する。
金などのオルタナティブ投資のおすすめ情報を入手する先についても紹介するので、ぜひ最後まで読んで参考にして欲しい。
金投資はおすすめしない?金投資のメリットとは

インフレ対策としても注目される金投資。しかし、資産として金を保有することはおすすめしないという声もある。
これは、継続的に得られる利益であるインカムゲインを得られないことや、保管の際には費用がかかることなどが、理由として挙げられる。
しかし、金投資は株式や債券投資とは違った「オルタナティブ投資」と呼ばれる投資方法であり、ほかの投資方法とは異なる効果もあるため得られるメリットも大きいのが特徴だ。
以下では、金投資がどんな投資方法であるかや、金投資の3つのメリットについて詳細に解説する。
金投資とは
金投資とは、貴金属のひとつである金(ゴールド)に投資をする方法だ。
金投資の方法は複数あり、現物の金や金貨の購入から、金ETFや、純金積立など様々な方法がある。
現物の金は高価で、たった10gでも2024年12月23日現在で144,000円前後の価値がある。
そのため、一見初心者には難しい投資のように思えるかもしれないが、少額からできる金投資もあることを覚えておきたい。
金投資のメリット
投資をこれから始めようという人のなかには、金は高価なイメージが強くハードルが高いと考えている人も多いだろう。
しかし、金投資も種類によってはほかの投資方法と同様に、銀行や証券会社の投資信託口座から投資できる方法がある。
投資家が選択する投資方法によっては富裕層でなくても始めやすい少額からの取引ができる金投資もあるので安心して欲しい。
以下では、金投資の3つのメリットを解説する。
無価値にならない
株式などの有価証券は、企業の経営状況が悪化して信用を落としたり倒産したりすると無価値になり、戻ってくるはずだった元本を取り戻せないことがある。
それに対し、金は世界共通でその価値を認められているうえに、埋蔵量も無限ではないため希少性が高く無価値になることは決してない。
金の価格変動はほかの投資方法と逆であり、経済が安定していればそれほど需要は高くならないため、価格が下落する。
逆に、テロが起こるなどの有事の際やインフレが予想されるなど経済が不安定になるとき、金の産出量が減ったときには価格が上昇する傾向にある。
また、金は「安全資産」と呼ばれている。株式や債券の利回りが下がったときには、現物資産で安全性の高い金の需要が高まり、それに伴い金の価格も上昇する。
需要が下がったときにも金の価値がゼロにならないため、投資する価値のある資産であるといえるだろう。
インフレ対策になる
資産のなかでインフレに弱いものは、現金や保険、債券などだ。これらはインフレが起こって物価が高くなると以前より資産価値が下がってしまう。
そのため、インフレ対策としてインフレに強い資産に投資することが重要だ。
金はインフレ・デフレの影響を受けにくいため、インフレ対策に強い資産だ。インフレが起こると現金の価値が下がるため、現物である金の価値は高くなる。
したがって、金に投資することでインフレによるリスクを軽減することができるだろう。
分散投資に向いている
金投資は基本的に株式や債券とは逆の動きをするため、分散投資に向いている。金投資には利息や分配金の支払いはないため、金だけに投資するのは賢い方法だといえない。
したがって、有価証券などほかの金融商品に投資しながら、リスクに備えて金投資も行うのが良いだろう。
分散投資をする際は、同じような影響を受けやすい商品を組み合わせると損失が発生したときカバーできないため、違った性格の商品に投資するのがおすすめだ。
金に投資する方法とは

以下では、金に投資する6つの方法を詳しく解説する。金投資に興味がある人は、自分に合った金投資の方法を見つけることから始めよう。
実物資産の購入
金投資の方法では、実物資産である金を購入して自分で保管する方法もある。実物資産の金には種類がいくつかある。現物の金の種類は下記の通りだ。
- 地金型金貨
- 収集型金貨
- 地金(インゴット)
地金型金貨は投資用として発行されている金貨である。それに対し、収集型金貨は発行される数が少ないため、こちらの方が希少性が高く高価であるという違いがある。
収集型金貨は、時間が経てば経つほど高い価格で換金できるようになるのが特徴だ。
地金は「インゴット」とも呼ばれ、金を塊にしたものだ。非常に高価なものであるため、ネットでも購入可能だが地金商や貴金属店で購入するのがおすすめである。
地金を購入する際に確認しておくべき刻印は、以下の4つだ。
- シリアルナンバー
- 商標
- 重量表示
- 金の純度を示す品位表示
地金にはこれらの刻印がなければ現金化の際に不利になる。したがって、地金を購入する際には刻印があるかを確認するのが必須だ。
純金積立
純金積立は毎月決まった金額またはグラム数を決めることで、積立をしながら金を購入できる仕組みだ。
一定額で購入する場合は、金の金額が安いときには多く、高いときには少ない量が購入される。
純金積立は証券会社や銀行、地金商などの業者と契約をして行う。
証券会社によっては1,000円からと少額から金投資ができるため、高額な金に投資する金銭的な負担が心配な人にも安心だ。
純金積立は金が手元に届くのではなく、証券会社などが管理してくれるのも特徴のひとつだ。自分で管理せずに済むことから、盗難などの被害に遭うリスクも避けられる。
金関連投資信託
金関連投資信託は、証券会社や銀行などで金の現物に投資する方法だ。投資信託の場合は投資家からお金を集めてプロが運用方針に基づいて運用するのが一般的である。
少額から金投資が始められる点はメリットであるが、金の現物を引き出せないほか、保有中は信託報酬にかかる手数料が発生するのがデメリットである。
金ETF
金ETFは証券会社の口座を持っていれば取引が可能であり、数千円と少額から始められる。
投資信託が金に投資する投資信託に投資を行うのに対し、金ETFは金に投資するETFに投資を行うものだ。
ETFとは「Exchange Traded Funds」の略称で、証券取引所に上場している投資信託である。金ETFは比較的少額から取引が可能で、金の価格に連動する投資信託だ。
株式市場での取引も可能であるため、流動性が高いのが特徴である。
金関連株式
金関連株式とは、金の価格の影響を受けるテーマ株のことだ。金関連株式で中心となるのは、非鉄金属と金属リサイクル業者である。
基本的に金は配当や利子などが付かないが、金関連株式の場合は株であるため、例外である。したがって、配当もあり株主優待を受けられる銘柄であることを押さえておこう。
金先物取引
金先物取引とは、あらかじめ決めておいた期日と金額でその日が来たら金を売買する取引のことだ。
実際に金を売却する日に金の金額が上がっていれば利益となるが、逆に価格が下がっていれば損失となる。
価格変動が大きい可能性もあるため、ハイリスク・ハイリターンに分類される取引であるといえるだろう。
金以外にもオルタナティブ投資はある

オルタナティブ投資は伝統の投資対象でなく、新しい投資対象に投資を行う手法である。
金以外にもエネルギーや農産物、仮想通貨などさまざまなものがオルタナティブ投資の対象とされている。
以下では、金以外のオルタナティブ投資のうち、4つの投資対象について解説する。
ヘッジファンド
ヘッジファンドとは、さまざまな種類の金融商品に投資を行うことでリスクを避け、市場の影響を受けずに利益を追求する投資ファンドのことである。
積極的に運用を行うのが特徴で、相場の上昇・下落にとらわれずに運用を行う。先物取引や信用取引なども利用し、自由な運用をするのが特徴だ。
PE・VC
PEとVCはどちらもファンドの一種である。VCはスタートアップしたばかりの企業に投資し、その企業が成長して株式の価値が高くなったときに売却を行う。
その一方で、PEファンドは未上場の株式に投資を行うファンドである。
VCはPEファンドのうちのひとつであると覚えておこう。
コモディティ
コモディティとは、「商品」を指した言葉である。コモディティ投資は金を含めた貴金属のほか、原油やガソリンなどのエネルギー、穀物などの農産物に投資する方法である。
以前は商品先物取引が行われていたが、最近では投資信託での運用も利用されている。商品の特徴からハイリスク・ハイリターンの取引となる場合もあるので注意が必要だ。
不動産
不動産投資には現物不動産投資やREITなどのさまざまな種類があり、いずれもオルタナティブ投資と呼ばれる。
現物不動産投資は不動産を購入して家賃収入を得たり、不動産を売却したりしたときに利益を得る投資方法だ。それに対し、REITは不動産投資信託のことである。
証券会社が投資家からお金を集め、まとまった資金を不動産へ投資する。その収益を投資家へ分配する仕組みだ。REITは不動産投資のなかでも少額から始めやすいのが特徴である。
アート・骨董品
アートや骨董品は、保存状態の良さなどが利益の大きさを左右するオルタナティブ投資だ。具体的には、絵画やアンティーク、装飾品などあらゆるものが投資対象となる。
アートや骨董品は古く希少性が高いからこそ価値があり、商品の種類も幅広い。
相場が決まっていない商品も多いため、どのくらいの価値になるかはより高い値をつけてくれる買い手を見つけることで決まる。
アート・骨董品はそのような点でほかの投資方法とは異なる、面白い投資商品であるといえるだろう。
金などのオルタナティブ投資するときの注意点

金などのオルタナティブ投資をするときには注意点があることを把握しておきたい。
「金投資はおすすめしない」といわれる理由も、このようなデメリットがあるからだ。
したがって、オルタナティブ投資をする前に、ほかの投資方法との違いや注意点を把握することが重要である。
以下で、オルタナティブ投資の際に注意すべき4つのポイントを解説する。
仕組みが複雑である
金などのオルタナティブ投資は通常の投資商品とは異なる性格を持つことから、仕組みが複雑で投資初心者には難しい傾向がある。
オルタナティブ投資には専門知識が必要であるため、投資に精通したプロが運用することが多い。
分散投資に向いている投資商品であるが、オルタナティブ投資で利益を得るためには複雑な仕組みを理解したうえで運用することが重要である。
ハイリスク・ハイリターンの金融商品である
オルタナティブ投資は高額な商品を扱うことが多いため、ハイリスク・ハイリターンの金融商品である。
たとえば、オルタナティブ投資の商品のひとつである「VC」のようにスタートアップしたばかりの企業に投資すれば、その企業が成長すればハイリターンの利益となるだろう。
しかし、安定性の高い上場企業と比較して倒産や業績が安定しないリスクも非常に高い。
したがって、オルタナティブ投資ではリターンが高いだけリスクも高くなる金融商品であることを押さえておきたい。
コストが高い
オルタナティブ投資はコストが高い金融商品が多く、富裕層向けである。たとえば、金投資は現物を購入すると多額の資金が必要となり、一般の投資家には手が届きにくいだろう。
また、貴重な骨董品や不動産など、投資する際に費用がかかるものが多い。オルタナティブ投資は購入時だけでなく管理にお金がかかるものも多い。
利子など途中で得られる収入もない商品が多いため、コストとリスクの両方が高く、コスト面から難しさを感じる投資家もいるだろう。
盗難・紛失の可能性がある
オルタナティブ投資をする金融商品は現物で保有するものが多く、盗難・紛失の可能性がある。
特に、オルタナティブ投資の対象となる商品は金やアート・骨董品など高価なものが多いため、盗難に遭うと大きな損失を被るだろう。
さらに、金の場合は金貨など非常に小さい形で保管をすることもあるため、盗難だけでなく紛失にも注意する必要がある。
したがって、オルタナティブ投資の商品で現物を保有する場合は、管理にも費用をかけて盗難・紛失のリスクをできるだけ回避しなければいけない。
金などのオルタナティブ投資のおすすめ情報はどこで入手する?

分散投資などの目的で、金などのオルタナティブ投資にも挑戦したい投資家は多いだろう。
しかし、金投資を始めとしたオルタナティブ投資は情報収集が難しい側面がある。
以下では、オルタナティブ投資の情報収集が難しい理由に言及し、おすすめの3つの情報収集方法を解説する。
オルタナティブ投資の情報収集は難しい
オルタナティブ投資は伝統的な資産への投資と異なり、非公開の情報も多く情報収集がかなり難しい金融商品だ。
この情報収集の難しさは、証券取引所で取引されていない商品に投資をすることも一因となっている。
オルタナティブ投資の情報が少なければ、投資先の評価が難しくコストが無駄にかかっていても把握しにくいなどのデメリットがある。
また、オルタナティブ投資は仕組みが複雑であることから専門知識を身につけるのも難しいため、初心者では情報収集をしても仕組みを理解するのが難解になる可能性もある。
オルタナティブ投資のおすすめの情報収集方法3選
オルタナティブ投資は開示されている情報が比較的少なく、ハイリスク・ハイリターンの商品でありながらその具体的なリスクの大きさを把握するのが難しい。
しかし、情報収集は難しいがアクセスできる情報がゼロという訳ではない。以下で紹介するおすすめの3つの情報収集方法を活用し、オルタナティブ投資を始めてみよう。
ネット検索
オルタナティブ投資についての情報は伝統的な資産と比較すると少ないが、いくつかのネットサービスではオルタナティブ投資の情報が得られる。
その代表的なネットサービスは、以下のものだ。
- オルタナバンク
- Preqin
- LUCA
LUCAは日本初のオルタナティブ投資プラットフォームだ。その他の投資プラットフォームでもそれぞれが収集し、分析した投資のデータが得られるため活用してみる価値がある。
また、正確な情報であるかは慎重に見極めなければいけないが、SNSでも投資家が発信している情報も多い。
ネット検索ではこれらの情報を総合して判断し、情報を活用してオルタナティブ投資を有利に進めていこう。
YouTube
YouTubeでは投資家や証券会社がオルタナティブ投資について発信している動画を無料で視聴できる。
特に、資産運用や投資の専門家である証券会社が発信しているチャンネルでのオルタナティブ投資の情報は参考になるだろう。
ただし、証券会社はオルタナティブ投資を専門として発信している訳ではない。
だからこそ、ひとつの証券会社が配信している動画だけではなく、複数の専門家がYouTubeで紹介している動画を参考にすべきである。
また、投資の情報は常に変わっていく。古い情報は役に立たない可能性もあるため、YouTubeでは必ず最新の情報を探すようにしたい。
今も活かせる情報であるか、ネット検索もあわせて活用しよう。
専門家に相談
オルタナティブ投資について詳しく情報を得たいと思ったら、専門家に相談するのがおすすめだ。
専門家は常にツールなどを活用しながら投資の最新情報を得ている。その情報のなかにはネット検索で探しても見つからない非公開情報も含まれるだろう。
専門家に相談することで、そのような非公開情報も含めた有益なアドバイスが得られる可能性も高くなる。
初回相談を無料で相談に乗ってくれる専門家も非常に多いため、まずはホームページから無料相談に申し込んでみてはどうだろうか。
金のおすすめの投資は自分に合った方法を選ぼう!

金投資の特徴は、無価値になることがない資産であり経済が困難な状況に陥ったときに需要が高まるため、ほかの資産の価値が下落したときに心強く分散投資に向いていることだ。
ただし、オルタナティブ投資であるためリスクが大きい運用となり、ポイントを押さえて金投資の複数の投資方法から自分に合ったものに投資する必要がある。
また、ハイリスク・ハイリターンの運用でリスクも高く、購入方法も限られている。
したがって、自己判断せずにまずはプロに相談することがおすすめだ。
まずは、IFA検索サービスなどの無料相談を利用して、金投資の情報を持った専門家から運用のアドバイスをもらおう。