- 500万円を増やす方法が知りたい
- 500万円を運用するときのおすすめが知りたい
- 初心者が資産運用する際の注意点と成功のコツが知りたい
500万円のまとまった資金を増やすため、資産運用は欠かせない。元本保証のある預貯金だけで効率的に増やすことは困難だ。
しかし、資産運用を始めるにもさまざまな投資先があり、「どこに投資すればいいか?」「投資による資産運用で気をつけるべきことは?」などの疑問を持つ人も多いだろう。
本記事では、資産運用する際におすすめの運用方法や注意点を解説していく。
また、資産運用が成功するコツや相談先についても紹介しているので、これから資産を増やしたい人は参考にするといいだろう。
500万円を効率的に増やすなら、資産運用がおすすめ

資産運用は500万円を効率的に増やすうえで、おすすめの方法だ。
銀行預金のみで資産を増やすには限界があるため、債券や株式、投資信託などの金融商品への投資は効果的である。
以下では、資産運用をおすすめする理由を解説していく。
銀行預金のみではリターンが得られない
現在の日本の銀行預金金利はマイナス金利解除により若干引き上げられたが、銀行預金に資産運用の手段として十分なリターンを期待するのは難しい。
例えば、普通預金の金利は年0.1%程度にとどまり、主要銀行の定期預金金利はキャンペーン適用時でも年0.85%程度である。
他の資産運用手段と比較すると、利回りが見劣りする状況が続いている。
また、インフレが進行すると現金の価値が目減りするため、銀行預金だけでは資産全体が減少するリスクがある。資産を増やすためには、銀行預金以外での資産運用が不可欠だ。
少額からでも資産運用を始めるべき
資産運用の利点は、少額からでも始められる点である。
2024年から開始された新NISAは、最低投資金額が100円からに設定されており、初心者でも手軽に資産運用をスタートできる。
また、少額から積み立てることで、無理のない資産形成が可能だ。複数の投資先に分散することが可能であり、リスクを抑えた資産運用につながる。
少額から資産運用を始められる制度が政府により用意されており、資産運用の第一歩として活用するといいだろう。
長期的な運用で複利効果を活用
資産運用で成功するには、長期的な視点を持つことが重要だ。長期運用することで、「複利効果」を最大限に活用できる。
複利効果とは、運用益が新たな運用資金として再投資され、利益をさらに増やしていく仕組みである。
以下は、500万円を年利5%で運用した場合のシミュレーション結果を5年ごとに示した表である。
運用期間 | 資産総額 | 増加額 |
---|---|---|
初期 | 500万円 | ー |
5年後 | 638万円 | 138万円 |
10年後 | 814万円 | 176万円 |
15年後 | 1,039万円 | 225万円 |
20年後 | 1,326万円 | 287万円 |
25年後 | 1,693万円 | 367万円 |
30年後 | 2,160万円 | 467万円 |
※参考:金融庁「資産形成シミュレーター
運用期間が長くなるほど、資産の増加額が上昇していることがわかる。短期的な値動きに惑わされず、長期的な視点を持ち続けることで、資産増加が可能だ。
ただし、資産運用には市場の変動リスクが伴うため、元本割れの可能性も考慮する必要がある。
500万円の資産運用におすすめの投資先

資産運用には多くの選択肢があるが、それぞれの特徴を理解することが重要だ。ここでは、おすすめの投資先を解説する一方、おすすめしない投資先も理由とともに解説する。
おすすめの投資先
500万円の資産運用では、以下の投資先がおすすめである。下表にメリットとデメリットをまとめたので確認してほしい。
投資先 | メリット | デメリット |
---|---|---|
債券投資 | 安定した収益 リスク分散に有効 | リターンが低い 金利リスクがある |
株式投資 | 高リターンが期待できる 配当収入の可能性 | 価格変動リスク |
投資信託・ETF | 分散投資が可能 専門家による運用 | 手数料がかかる 市場リスク |
REIT | 不動産投資が少額で可能 安定した分配金 | 不動産市場リスク 分配金の変動リスク |
それぞれの投資先について概要と特徴を説明する。
債券投資は、比較的リスクが少なく、安定した利息収入が期待できる。特に国債は信用度が高く、年2回利子を受け取ることが可能だ。
大きなリターンは難しいが、リスクを抑えた安定した運用が特徴だ。
株式投資は、企業の成長に伴う株価の値上がり益や配当金の受け取りを狙えるため、高いリターンが期待できる。
企業の成長や社会情勢などから株価が短期間で大きく変動する可能性があるため、長期保有を前提に運用するといいだろう。
投資信託・ETFは、少額から複数の資産に分散でき、投資のプロに運用を委ねられる。 初心者にも扱いやすく、手間がかからない資産運用が可能だ。
ただし、購入時や信託報酬などの手数料が発生する点を把握しておこう。
REITは、投資対象を不動産に限定した投資信託である。少額から不動産投資ができ、安定した不動産収益を期待できる。
不動産市場の価格変動リスクや分配金の減少リスクがある点に注意しよう。
おすすめしない投資先
500万円の資産運用でおすすめしない投資先を紹介する。おすすめしない理由の概略とともに下表にまとめている。
投資先 | おすすめしない理由 |
---|---|
先物取引 | 高リスク 短期取引向き 投資初心者には複雑な仕組み |
FX(外国為替) | 価格変動が激しい レバレッジリスク |
現物不動産投資 | 初期費用が高い ・流動性が低い |
ヘッジファンド | 手数料が高い 最低投資額が高い 情報の不透明性 |
仮想通貨 | 価格変動が激しい 規制リスク |
投資初心者やリスク許容度が低い投資家にとっては、特に注意すべき投資先である。詳しい内容を解説していく。
先物取引は、将来の価格を予測して売買契約する金融商品だ。少ない資金で大きな取引を可能にするレバレッジを利用できる。
例えば、証拠金とした資金100万円を担保に、資金の10倍である1,000万円の取引が可能になる仕組みだ。
レバレッジ取引は大きな利益を狙える一方で、損失も拡大しやすいリスクがある。投資商品としての仕組みが複雑で、投資初心者には理解が難しく、判断を誤りやすい。
満期日が設定されている取引が多いため、長期的な資産形成に向いていない。
FXは、異なる通貨の為替レートの変動を利用して利益を狙う取引であり、先物取引同様にレバレッジの利用が可能だ。
為替市場の激しい価格変動により、短期間で大きな損失を被るリスクがある。投資初心者には、為替市場の動向を予測するのは難しい。
現物不動産投資は、マンションや土地を購入し、賃貸収入または売却益を得る投資である。
初期費用の不動産価格が高く、維持費含め多額の資金が必要だ。また、売却までの所要時間が長く流動性が低いため、急な資金需要に対応しにくい。
ヘッジファンドは、富裕層や機関投資家向けに設計された投資ファンドであり、さまざまな投資手法を駆使してリターンを追求する。
運用に関する情報が公開されにくく、安心した運用とは言い難い。手数料も高額になりやすく、投資初心者には利用しにくいだろう。
仮想通貨は、ブロックチェーン技術を基盤にしたデジタル通貨を運用する。価格変動が激しく、短期間で大きな損失を被る可能性がある。
各国の規制強化やハッキング被害のリスクがあるため、慎重な投資判断が必要だ。
いずれの投資先も高いリターンを狙える可能性がある投資先である一方で、リスクが非常に高く、専門的な知識が必要である。
初心者やリスク許容度が低い投資家には適していない。
500万円の投資ポートフォリオ例

500万円を投資する際には、リスク許容度に応じた投資ポートフォリオを構築することが重要だ。ここでは、以下の3つのポートフォリオ例を解説する。
- 安定型
- バランス型
- 積極型
それぞれの特徴や資産配分を参考に、自分の投資目的とリスク許容度を考えて最適なポートフォリオを選んでほしい。
安定型ポートフォリオ
安定型ポートフォリオの資産配分は以下のとおりだ。
投資先 | 配分割合 |
---|---|
国内債券 | 50% |
定期預金 | 30% |
投資信託 | 10% |
国内REIT | 10% |
ローリスクローリターンの運用を目指すなら、安定型のポートフォリオを構築することがおすすめだ。
主に債券と定期預金を組み込むことで、元本の安全性を重視し、リスクを最小限に抑えた内容である。
例えば、元本割れのリスクが低い債券である個人向け国債を50%配分し、定期預金を30%組み入れることで、安定性と流動性を両立できる。
残りの20%は、安定した分配金が期待できる国内REITと分散投資によるリスク軽減が可能な投資信託に配分する。
このような資産配分は堅実な資産形成を目指す人に適しているだろう。
バランス型ポートフォリオ
次にバランス型ポートフォリオの資産配分は以下のとおりだ。
投資先 | 配分割合 |
---|---|
国内株式 | 35% |
国内債券 | 35% |
投資信託(インデックス型) | 20% |
国内REIT | 10% |
バランス型ポートフォリオは、ミドルリスクミドルリターンを意識した資産配分である。株式のリスクを債券で補う組み合わせにより、安定性と成長性の両方を狙えるのが特徴だ。
例えば、国内株式と国内債券をそれぞれ35%配分し、残りの40%をインデックス型投資信託や国内REITに分散することでリスクとリターンのバランスが取れる。
インデックス型投資信託では多くの市場へ分散投資を行うことができ、価格変動リスクの軽減を期待できる。
また、国内REITで安定した分配金を確保してポートフォリオの安定性を図る。適度なリスク管理を意識しつつ、堅実な成長を目指す人に向いている資産配分である。
積極型ポートフォリオ
最後に積極型ポートフォリオの資産配分は以下のとおりだ。
投資先 | 配分割合 |
---|---|
国内株式 | 40% |
海外株式 | 30% |
投資信託(アクティブ型) | 20% |
国内REIT | 10% |
ハイリスクハイリターンを狙うポートフォリオで、成長市場を積極的に取り入れる構成が特徴だ。
国内株式では成長性の高い企業や高配当銘柄を選び、外国株式では為替リスクを伴うものの高いリターンが見込める資産を選択する。
さらにアクティブ型の投資信託を組み入れ、市場の成長機会を最大限に活用する方向性だ。国内REITは安定した分配金を期待しつつ、全体のリスクを分散する役割である。
このポートフォリオは大きな利益を期待できるが、短期的な価格変動リスクや元本割れのリスクも高いため、長期的な運用計画が必要だ。
500万円の資産運用で注意すべき点

500万円というまとまった資金を運用する際には、リスク管理と計画性が重要である。資産運用で注意すべき4つのポイントを以下に挙げる。
- 余剰資金内で資産運用する
- 適切にリスク管理する
- 相場に振り回されない
- 定期的に見直しする
これらの内容について詳しく解説する。
余剰資金内で資産運用する
資産運用は、余剰資金内で行うことが重要だ。投資した資金が必ず増える保証はないため、生活費を資産運用に回して損失が発生した場合、取り返しのつかない状況になりかねない。
余剰資金とは、生活費や急な出費への備えを確保したうえで残った資金のことである。一般的には、生活費の6ヶ月から1年分を確保するのが望ましい。
適切にリスク管理する
利益を追求するあまり、リスクを取りすぎるのは避けるべきだ。
投資商品にはそれぞれリスクとリターンがあるため、投資する人はライフステージによるリスク許容度を明確にする必要がある。
下表にまとめたリスク許容度で考慮するポイントを参考にしてほしい。
投資要因 | 考慮ポイント |
---|---|
年齢 | 若いほどリスク許容度が高い |
投資経験 | 経験豊富であるほどリスク許容度が高い |
運用期間 | 長期運用はリスク許容度が高い |
収入状況 | 安定していればリスク許容度が高い |
資産を複数の商品や地域に分散することもリスクの軽減につながる。
例えば、国内外の株式や債券、REITなどの組み合わせは、市場リスクの影響を分散してポートフォリオ全体で安定を維持できる。
相場に振り回されない
相場の下落時や急騰時に冷静な判断ができない場合、資産運用で失敗するリスクが高まる。例えば、相場の変動時に推奨する対応は以下のとおりだ。
相場の状況 | 推奨する対応 |
---|---|
急落時 | 損失を恐れての売却を避ける |
急騰時 | 高値の買い増しを避ける |
資産運用の方針を事前に明確にし、感情に左右されず冷静に判断できる投資行動を心がけることが重要である。
また、長期的な視点を持ち、短期的な価格変動に動じない運用を心がけよう。
定期的に見直しする
資産運用の方針やポートフォリオの構成は、定期的な見直しが欠かせない。
市場環境やライフステージの変化に応じて資産配分を調整することで、リスク管理がより効果的になる。
例えば、ゼロ金利政策の終了により、米国10年国債利回りは上昇した。また、日本の長期金利も0.25%から0.75%に上昇するなど、金利環境は大きく変化した。
このような市場環境の変化を踏まえた見直しも不可欠である。
見直しのタイミング | チェックポイント |
---|---|
半年ごとまたは1年ごと | 市場環境の変化 市場利回り |
ライフステージの変化するタイミング | 収入や支出の確認 運用目標の見直し |
定期的な見直しが安定的かつ効率的な資産運用につながるだろう。
500万円の資産運用が成功する人の考え方

どんな金額でも資産運用を行うにあたって、基本的な投資の原則は同じだ。500万円という大切な資産を自分にあった戦略で運用することが重要である。
ここでは、資産運用を成功させるための考え方を3つ紹介する。
投資の基本は「長期・積立・分散」
「長期・積立・分散」は投資の基本であり押さえておくべきポイントだ。
長期的な視点で資産運用する「長期投資」は、一時的な市場変動に左右されず、安定したリターンを得ることができる。
長期投資で効果が発揮される複利効果を活用すれば、運用益がさらに新たな運用益を生み、資産の増加が加速する。
例えば、年利5%で運用した場合のシミュレーション結果は以下のとおりだ。
運用期間 | 資産総額 | 資産の増加倍率 |
---|---|---|
初期 | 500万円 | ー |
5年後 | 638万円 | 約1.28倍 |
10年後 | 814万円 | 約1.63倍 |
15年後 | 1,039万円 | 約2.08倍 |
20年後 | 1,326万円 | 約2.65倍 |
25年後 | 1,693万円 | 約3.39倍 |
30年後 | 2,160万円 | 約4.32倍 |
「積立投資」は 毎月決まった金額を投資することで、価格の変動による影響を和らげ、リスクを減らせる。
例えば、価格が下がったときには同じ金額でより多くの投資商品を購入できるため、長い目で見ると平均的な購入価格を下げられ、資産が増えやすくなる。
初心者でも取り組みやすい投資方法だ。
投資には常にリスクがあるが、リスクを抑える投資として「分散投資」は基本の投資方法である。
複数の投資先に分散することで、リスクを軽減した投資ができ、特定市場の変動リスクを抑えることが可能だ。
例えば、株式や債券、外国資産、不動産など異なる市場の資産に投資を分散する。もし、一つの市場が急落しても他の市場に影響がなく、資産全体は安定したままだ。
自分に合ったポートフォリオを組む
資産運用の成功には、自分のリスク許容度や運用目標に応じたポートフォリオの構築が不可欠である。
投資に回す資金は、生活費と急な出費への予備資金を差し引いた余剰資金で資産運用することを理解することが重要である。
リスク許容度に生活費が含まれると、資産運用の前に生活に問題が生じるためだ。
資産運用の目的を具体的に設定し明確にする。目的が明確になれば、運用期間やリスク許容度が把握できる。
例えば、老後資金の準備には長期運用の安定性が求められ、住宅購入資金では成長と流動性を重視するだろう。
NISAやiDeCoなど有利な制度を活用
日本では資産運用を支援するため、さまざまな税制優遇制度が用意されている。これらの制度を活用して運用効率を高められる。
少額投資非課税制度のNISAは、投資で得た運用益や配当金が非課税になる仕組みだ。
2024年から導入された新NISAは、年間投資枠は360万円、非課税可能投資枠は1,800万円と大幅に拡大した。
500万円の資産運用を行うには十分な投資枠である。非課税期間が無期限になり、長期的な資産形成に適している。
個人型確定拠出年金のiDeCoは老後資金を準備するための制度であり、掛け金が全額所得控除となり運用益も非課税だ。受取時にも税制優遇を適用できるメリットがある。
ただし、60歳まで原則引き出せないため、長期的な資産形成を目指す人に有効な制度だ。
500万円の資産運用はプロに相談しよう

資産運用は計画的な判断と多様な知識が求められるため、プロの助言を受けることが有効である。
初心者から経験者まで、投資の選択肢を広げるためにプロへの相談を検討してはいかがだろう。
資産運用をプロに相談するメリット
資産運用のプロに相談すれば、投資判断に必要な情報やアドバイスを得ることができる。特に、初心者にとって、さまざまな投資商品からポートフォリオを構築することは難しい。
プロの助言を受ければ、自分の資産運用に適した投資用商品を選び、リスク許容度に応じたポートフォリオを構築できる。
相談先(証券会社、銀行、IFA、FP)とそれぞれの特徴・メリットデメリット
代表的な資産運用の購入・相談先は、以下の4つである。
購入・相談先 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
証券会社 | 株式や債券、投資信託などの金融商品を取り扱う | 総合証券会社では担当者への直接相談が可能で、アドバイスをもらいやすい | 総合証券会社は手数料が高めで、口座管理費がかかる |
銀行 | 預金や保険商品、投資信託など幅広い金融サービスを提供 | 信頼性が高く基本的な金融サービスを一括して利用可能 | 投資商品は選択肢が限られ、手数料が高い |
IFA (独立系ファイナンシャルアドバイザー) | 金融機関に属さず独立した立場からアドバイス | 顧客重視の提案 営業方針に左右されない | 信頼できるIFAの選定が必要 |
FP | 個人のライフプランに基づいた資産運用の専門家 | 無料相談が可能 幅広い金融知識を提供 | 自社商品を提案するFPもいる |
取り扱い商品や手数料体系が異なるため、投資目的や資産規模に応じて選択することが重要だ。
資産運用の基本を押さえて500万円を効率的に増やそう

500万円の資産を増やすためには、資産運用が必要不可欠である。銀行預金だけでなく、株式や債券、投資信託、REITなど多様な投資先を検討しよう。
各投資先のリスクとリターンを理解し、自分に合ったポートフォリオを構築することが重要だ。
資産運用の注意点を把握して資産運用を進めることも重要である。特に、長期・分散・積立を基本方針とし、資産運用に有利な制度も活かして安定した運用を目指そう。
また、無料のIFA検索サービスを利用すれば、自分に最適なプロのアドバイザーを見つけることができる。
信頼できるプロに相談し、自分の目標に合った資産運用プランを立てて資産を増やそう。